さまよえる前日鳥

読んだもの、観たものについての取り留めない覚え書き。ネタバレ注意。

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年 読書振り返り

2023年 読書振り返り 今年読んだ本のリスト 【洋書(英語)】 『Cloud Atlas』(クラウド・アトラス)デイヴィッド・ミッチェル 『Gilead』(ギレアド)マリリン・ロビンソン 『Olive, Again』(オリーヴ・キタリッジ、ふたたび)エリザベス・ストラウト 『T…

『歩道橋の魔術師』呉明益

河出文庫 天野健太郎訳 初めての台湾文学。著者の作品は既に何冊か翻訳されていて高い評価を受けているようだ。 これは、かつて実際に台北にあった巨大なショッピングモール「中華商場」を舞台にした連作短編集で、10編+単行本未収録1編の全11編が収録され…

2023年 映画一言感想

今年映画館で観た映画のゆるくいいかげんな感想。 ⚠️ネタバレ注意⚠️ 『ベイビー・ブローカー』是枝裕和監督 何語で撮っても是枝節になるね。『真実』もそうだったな。 血の繋がりのない者たちが赤ちゃんを中心に疑似家族になる。『万引き家族』の希望ありバ…

『白の闇』ジョゼ・サラマーゴ

雨沢泰訳(英語からの重訳) 河出文庫 読みたいのに絶版で残念だとずっと思っていたら、何と文庫が出版されていた!河出書房新社さん、ありがとう!河出書房新社は面白い海外文学をどんどん出版してくれるから大好きだ。私の本棚は河出文庫とハヤカワepi文庫…

『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』小野寺拓也、田野大輔

岩波ブックレット そもそも私はナチについての知識が殆どない。強制収容所作ってユダヤ人や障害者や同性愛者を迫害したり虐殺したりした、という極めて大雑把な認識しかない。「良いこと」と言われていることがどんなことかも全く知らないという無知ぶり。欧…

『Something Wicked This Way Comes』(何かが道をやってくる)レイ・ブラッドベリ【再読】

高校生の時、読みまくったブラッドベリ。中でも本作は特別気に入っている作品だ。今でも、サーカス団が町にやってくる度にこの作品のことを思い出す。ブラッドベリの中で一冊だけ選ぶとすれば、本作と『10月はたそがれの国』のどちらかで迷って迷って、多分…

『Liberation Day』(未邦訳)ジョージ・ソーンダーズ

『十二月の十日』以来9年ぶりのジョージ・ソーンダーズの短編集。2022年に出版されて現時点(2023年12月)でまだ邦訳は出てないようだけど、そのうちきっと出るだろう。 ソーンダーズの作品は、ソーンダーズ節としか言いようのない味わいがあって大好きだ。 …