さまよえる前日鳥

読んだもの、観たものについての取り留めない覚え書き。ネタバレ注意。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『Canto jo i la muntanya balla』(When I Sing, Mountains Dance)Irene Solà

この作品は2019年に初版が発行されてから地元で数々の賞を受賞し、2022年末時点でカタルーニャ語版だけで6万6千部(16刷達成)、スペイン語版も2万3千部売れていて、かなり話題になったようだ。約20ヶ国語に訳されており、2022年にthe Guardianなどでも好意…

『Olive, Again』(オリーヴ・キタリッジ、ふたたび)エリザベス・ストラウト

『Olive Kitteridge』(オリーヴ・キタリッジの生活)の続編。 前作の感想はこちら 全体のメインはオリーヴでありながら、オリーヴが脇役だったり名前が出るだけの短編もある、という作りは前作と同様。オリーヴが70〜80代になっていて、年老いて行くことの意…

『オリーヴ・キタリッジの生活』エリザベス・ストラウト【再読】

小川高義訳 ハヤカワepi文庫 オリーヴ・キタリッジの続編を読む予定なので、復習の為に再読。初めてのエリザベス・ストラウトがこの本で、一読して大好きになった。ゆっくり味わいながら、何度でも読みたい連作短編集。 この本が魅力的なのは、オリーヴとい…

『El matrimonio de los peces rojos』(赤い魚の夫婦)グアダルーペ・ネッテル

昨年から極めて地味に亀の歩みで進めている「今をときめくラテンアメリカ女性作家を読もう」キャンペーン、今回はメキシコの作家グアダルーペ・ネッテル。既に2021年に宇野和美氏の訳で日本語版も出ていて評判が良いようで、日本翻訳大賞の最終候補にもなっ…