さまよえる前日鳥

読んだもの、観たものについての取り留めない覚え書き。ネタバレ注意。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『巨匠とマルガリータ(下)』ミハイル・ブルガーコフ

水野忠夫訳 岩波文庫 ネタバレです。 第二部に入るとガラリと様相が変わる。遂にマルガリータが舞台中央に登場し、彼女の愛と冒険の物語が中心となる。 巨匠は心を病んで病院に入っているが、マルガリータはそれを知らない。彼と再会する為に、マルガリータ…

『巨匠とマルガリータ(上)』ミハイル・ブルガーコフ

水野忠夫訳 岩波文庫 うわー、面白い!想像してたのと全く違った。 まだ上巻読んだだけなので、とりあえずの感想を。 タイトルになっている巨匠もマルガリータも一向に出てこない。巨匠が登場したのが450ページ近い第一部の半ばをとうに過ぎた第13章270ペー…

『Maddaddam』(マッドアダム)マーガレット・アトウッド

マッドアダム三部作の最終作 本作はまだ日本語訳が出ていないようだ。今年(2024年)岩波書店から出版される予定らしい。 *追記 3月(かな?)に邦訳『マッドアダム』上下巻が林はる芽さんの翻訳で岩波書店から出たようなので、日本語タイトルを追記しまし…

『The Year of the Flood』(洪水の年)マーガレット・アトウッド

マッドアダム三部作の二作目 ネタバレしています。 Crakeが引き起こした「人類の終焉」を生き延びた二人の女性の視点で物語が進行する。それぞれが、現在のサバイバルの部分とそこに至る過去を思い返す部分があるのは前作のSnowman -Jimmyの時と似ている。ま…

『Oryx And Crake』(オリクスとクレイク)マーガレット・アトウッド

マッドアダム三部作の一作目。 ネタバレです。 アトウッドによる近未来ディストピア+ポスト・アポカリプス+創世記。 物語は、人類が滅びたと思われる世界で生き残ったSnowmanのサバイバルの日々の章と、彼が、自分の少年時代からアポカリプスに至るまでの…