さまよえる前日鳥

読んだもの、観たものについての取り留めない覚え書き。ネタバレ注意。

ピューリッツァー賞

『LESS 』(レス)アンドリュー・ショーン・グリア

2018年ピューリッツァー賞フィクション部門受賞 Arthur Lessは50歳の誕生日を目前に控えたゲイの作家だ。9年間付き合った若い恋人(もどき)のFreddyが他の男と結婚することになり、心が沈んでいる。Freddyの結婚式に出席しない口実を作るため、そして50歳の…

『The Goldfinch』(ゴールドフィンチ)ドナ・タート

2014年ピューリッツァー賞受賞 冒頭、主人公Theoが何かに怯えながらアムステルダムのホテルに滞在している様子が描かれる。何らかの事件に関わっているようだ。 物語は彼が13歳の時のこと、最愛の母を失った爆弾テロ事件へと遡る。その日Theoは停学処分にな…

『オリーヴ・キタリッジの生活』エリザベス・ストラウト【再読】

小川高義訳 ハヤカワepi文庫 オリーヴ・キタリッジの続編を読む予定なので、復習の為に再読。初めてのエリザベス・ストラウトがこの本で、一読して大好きになった。ゆっくり味わいながら、何度でも読みたい連作短編集。 この本が魅力的なのは、オリーヴとい…

『Gilead』(ギレアド)マリリン・ロビンソン

アイオワ州の架空の小さな町Gilead。76歳の牧師John Amesは、67歳の時に35歳年下のLilaと出会って結婚し、息子を授かった。自分の死期が迫っていることを悟ったJohnは、まだ幼い息子が成人した時に読むようにと長い手紙を書き始める。前半は主に代々牧師を務…

『The Amazing Adventures of Kavalier & Clay』(カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険) マイケル・シェイボン

2001年ピューリッツアー賞受賞 1939年ナチスドイツ占領下のプラハ。マジック(脱出術)と美術を学んだユダヤ人青年ジョセフ・カヴァリエは、ユダヤ人コミュニティの先行きを危惧した家族の後押しを受け、ニューヨークの叔母の元へと亡命する。 紆余曲折を経…