熱帯の町San Cristóbalに何処からともなく現れた子供たち。彼らは奇妙な言葉を話し、子供らしく遊ぶ一方で、盗みを働き暴力を振るった。そしてある時32人の子供たちは一斉に死んでしまった。 その22年後、市の社会福祉課長としてこの事件を間近に見た主人公…

水野忠夫訳 岩波文庫 ネタバレです。 第二部に入るとガラリと様相が変わる。遂にマルガリータが舞台中央に登場し、彼女の愛と冒険の物語が中心となる。 巨匠は心を病んで病院に入っているが、マルガリータはそれを知らない。彼と再会する為に、マルガリータ…

水野忠夫訳 岩波文庫 うわー、面白い！想像してたのと全く違った。 まだ上巻読んだだけなので、とりあえずの感想を。 タイトルになっている巨匠もマルガリータも一向に出てこない。巨匠が登場したのが450ページ近い第一部の半ばをとうに過ぎた第13章270ペー…

マッドアダム三部作の最終作 本作はまだ日本語訳が出ていないようだ。今年（2024年）岩波書店から出版される予定らしい。 ＊追記 3月（かな？）に邦訳『マッドアダム』上下巻が林はる芽さんの翻訳で岩波書店から出たようなので、日本語タイトルを追記しまし…

マッドアダム三部作の二作目 ネタバレしています。 Crakeが引き起こした「人類の終焉」を生き延びた二人の女性の視点で物語が進行する。それぞれが、現在のサバイバルの部分とそこに至る過去を思い返す部分があるのは前作のSnowman -Jimmyの時と似ている。ま…

マッドアダム三部作の一作目。 ネタバレです。 アトウッドによる近未来ディストピア＋ポスト・アポカリプス＋創世記。 物語は、人類が滅びたと思われる世界で生き残ったSnowmanのサバイバルの日々の章と、彼が、自分の少年時代からアポカリプスに至るまでの…

１．アトウッドのマッドアダム三部作を読む 読もうと思いつつ、もうずっと積んである。今年こそは！ ２．エリザベス・ストラウトの全作品の感想を書く オリーヴ・シリーズとAmgashシリーズが完結した（と思う）のを機に、まだ感想を書いていない作品について…