この本の日本語訳が今年出版される予定だと聞いたんだけれど、今のところまだみたいだ。
※2024年9月追記
10月に集英社から金子ゆき子訳『白猫、黒犬』のタイトルで出るとのことなので、日本語のタイトルも追加しました。
様々な童話からインスピレーションを得て書かれた物語を集めた短編集。元になった物語の語り直しもあれば、元ネタとは殆ど何の共通点もないものもある。どれもファンタジックな物語だけど、語りのスタイルは様々で、物語の雰囲気はどれも異なる。とても楽しく読んだ。
以下、各作品の簡単な感想を。[ ]内は元ネタになった童話のタイトル。
The White Cat’s Divorce
[白いねこ(フランス オーノワ夫人作童話)]
舞台を現代に移した語り直し童話。いかにも童話っぽい語り口なのに大麻やらFacebookやら出てくるから、そのギャップが可笑しい。
Prince Hat Underground
[太陽の東 月の西(ノルウェー民話)]
これも元の童話に比較的近い感じ。愛する人を探して突き進む主人公が健気だ。やはり笑えるポイントが沢山。
The White Road
[ブレーメンの音楽隊(グリム童話)]
ポスト・アポカリプス。ちょっとホラー味があり、非常に好みだ。ブレーメンという町の名前と、主人公が旅芸人一座の一員だということ以外は、元の童話とは全く関係ない。
The Girl Who Did Not Know Fear
[こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話(グリム童話)]
「閉じ込められている」主人公。色々なことが仄めかされながら明確には書かれないので、読み終わってからあれこれ考察しがいのある物語。フライトで隣り合わせた人たちの喋りっぷりに笑う。
The Game of Smash and Recovery
[ヘンゼルとグレーテル(グリム童話)]
何だ?何だ?と読み進めていったら意外なSF的展開(?)が待っていた。
The Lady and the Fox
[タム・リン(スコットランドのバラッド)]
王道(?)のラブストーリーで、ちょっと心が温まる。主人公の女の子がとても魅力的。
Skinder’s Veil
[しらゆき べにばら(グリム童話)]
ハウス・シッティングの約束事にちょっと震える。物語内の物語が強烈で楽しい。そして熊がとても良い。